いつも月夜に本と酒

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「百錬の覇王と聖約の戦乙女3」鷹山誠一(HJ文庫)

百錬の覇王と聖約の戦乙女3 (HJ文庫)
百錬の覇王と聖約の戦乙女3 (HJ文庫)

今や《狼》の宗主として押すに押されぬ存在となった勇斗。だが二年前、この世界に迷い込んだ頃の勇斗は未熟な一人の"少年"に過ぎなかった。そんな勇斗を成長させたのはフェリシア、イングリットら麗しき戦乙女達、そして頼れる兄貴分の存在……。弱肉強食の世界で勇斗はいかにして王に成り上がったのか? 今語られる覇王降臨編《エピソード・ゼロ》!


3巻は「はじまりの物語」。
勇斗が現代から に召喚されてから宗主になるまでの、この物語の根源となる過去話。
1巻2巻より《狼》にとって大きな出来事で期間も長いので少々駆け足気味ではあるが、ただの中学生だった勇斗の苦難と成長の跡がはっきりと見え、只者ではない本性が現われるきっかけとその後の英雄らしい活躍も見える、非常に読み応えのある物語。
面白かっただけに思う、何故この話を1巻にしなったのか、と。
1巻では自分の行為をチートやズルと言って自らを蔑んでばかりだった勇斗には少なからず不快になったものだが、これだけの理由があるなら見る目が変わって、鬱陶しくは感じなかったのに。
チートと言うようになった直接の理由、この話のエピローグは確かに初めの話の終わりとしてはかなりヘビィな終わり方ではあるが、それを差し引いてもこの話から始めた方がメリットが大きい様に思われるのだが。
何はともあれ新たに、アドバンテージが使えなず因縁も深い強敵が登場したことで、今後の展開がさらに楽しみになった。



折角ターンが回ってきたと思ったら、扱いが小さいイングリットには同情を禁じ得ない。他のヒロインと違って地位が無いから今後も厳しいだろうねえ(´;ω;`)ブワッ