いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。 II ―Time to Play― 〈下〉」時雨沢恵一(電撃文庫)

男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。 (2) ―Time to Play― (下) (電撃文庫)
男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。 (2) ―Time to Play― (下) (電撃文庫)

僕は、東京へ向かう特急列車の車内にいる。いつもの、窓側の席に座っている。
五月晴れの空の下、まさに今、列車は動き出した。ホームの景色が、後ろに流れていく。隣の席は、あいている。似鳥は来るか? 来る。僕には分かる。

高校生にして電撃文庫で作家デビューを果たした“僕”と、クラスメイトで声優の似鳥絵里が、週一回、アニメのアフレコに向かう特急列車で交わす作家業についての会話。――それは、二度と引き返せない終着点へと進んでいく……。
これは、僕が、やがて意識を失うまでの、走馬灯のような、お話。

初版で2万7千も刷るのか! さっすが最大手の電撃さんやで。←一番の驚き
to be continued...って続くのか!? ←二番目の驚き
この上下巻で一番の注目事項・首絞めの理由は、分かりやすく伏線が張られているので驚きはないかな。でも、上巻でばら撒かれていたものが、下巻のあれこれで繋がっていって「なるほどねー」ってなれるのは気持ちいい。
どちらかというと事後に主人公が“男の子する”シーンの方が印象が強い。……なんだかやらしい表現になってしまったw ともあれ、元々ファンだった上にあれをやられたら惚れますわ。続きもまともなラブコメにはならないだろうけど、距離が近づいた二人の会話は楽しみ。
会話と言えば、この下巻も基本的には特急列車で東京に行くまでの二人の会話による作家業の裏話がメイン。今回は印税の話とかアニメ化の話とか現金な話……よりもちょっとだけ語っていた〆切の話が興味深かった。作家さんには心臓の強い人が多いのかな?w 自分の蚤の心臓だとよい子スケジュールじゃないと無理そうだ(^^;
アニメ収録が半分くらいとあったので、あと2巻くらいあるのかな? 二人の関係と共に次はどんな作家裏話が読めるのかも楽しみ。


久々にあとがきでめっちゃ笑った。違和感のある真面目なあとがきからの不意打ちで撃沈。