いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「私は嫌いなものからもっとも効率的に目を逸らす」

よかったマークありがとーございます(・∀・)b






やはり福岡の国は修羅の国であったか((((;゜д゜)))(違!
土がどこ行ったのかも不思議だけど、あの太いパイプの残骸もどこいった?
何はともあれ、あんな大規模な陥没で死者が出なくて何よりでした。

「凶器は壊れた黒の叫び」河野裕(新潮文庫nex)

凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)
凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)

君が求めたものは、夢か、幸福か。
新聞部の創設。柏原第二高校に転校してきた安達は、島で唯一の小学生・相原大地のために部活動を始めることを提唱する。賛成するクラスメイト達だったが、七草はそれが堀を追い込むために巧妙に仕組まれた罠であることに気づく。繙かれる階段島の歴史と、堀が追い求めた夢。歩み続けた七年間。その果てに彼女が見つけた幸福と、不幸とは……。
心を穿つ青春ミステリ、第4弾。


階段島の秘密と成り立ち、魔女が魔法で出来ることと魔女でいる条件、さらに階段島の七草の秘密まで明かされるシリーズ第4弾。このシリーズの根幹はほぼ出揃ったんじゃなかろうか。
いつもは読み始めると止まらずに最後まで読んでしまうシリーズ(もしくは作者)なのに、今回は中々前に進まなかった。その理由が、前巻のラストで階段島に来たもう一人の魔女・安達の行動、状況を無駄に引っ掻き回しながら回りくどく階段島の魔女・堀を攻撃してく様子が酷く気持ち悪かったから。
安達のことは彼女を敵だと思っている七草視点で語られるので、彼のフィルターを通すとより嫌な感じがしたのもあるだろうが、好きな登場人物の堀(堀のやり方が正しいとは思わないが、彼女の不器用な優しさは大変好ましい)や真辺(自分の信念に基づいて愚直に進む真辺の様子は、傍迷惑だし危なっかしいが見ている分には尊いものだと思う)と正反対な安達の存在は、階段島では異物感が酷かった。
潔癖な少年少女たち、主に七草と真辺の理想のぶつけ合いに、美しさや切なさを感じたり、忘れたものを思い出したり。そういうのがこのシリーズの醍醐味だと思っていて、現に今回もその部分は噛みしめて楽しんで読んだ。そういう意味でも、階段島に来るのは生き易くなる為に切り捨てられた部分≒大人になるために切り捨てられた部分なのだから、大人の狡さが持つ人物が来るのは違和感が大きかった。でも捨てられた人ではない安達が他と違うように映るのは当たり前で、正解と言えば正解なのか……。
結局何が言いたいかというと「安達嫌い。他の子たちは悲しくなるほど好き」。
さて、好きな二人が相対する構図になってしまったが次、七草はどう動く?