いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



“文学少女”と死にたがりの道化

「どうかあたしの恋を叶えてください!」何故か文芸部に持ち込まれた依頼。それは、単なる恋文の代筆のはずだったが……。物語を食べちゃうくらい深く愛している“文学少女”天野遠子と、平穏と平凡を愛する、今はただの男子高校生、井上心葉。ふたりの前に紡ぎ出されたのは、人間の心が分からない、孤独な“お化け”の嘆きと絶望の物語だった―!

太宰治の『人間失格』を軸に、心に傷を持つ人たちが織り成すミステリ風な作品。
人が誰しも持っているであろう「他人と違うかな」と思う心を大胆に増幅しつつ繊細に描かれている。


かなりお気に入り!
ちょっと煤けたというかセピア色というか、そういう雰囲気がたまらなく好き。
作者はもっと話をシリアスに、遠子をクールにしたかったみたいだけど、ちょっと能天気な遠子のおかげで重くなりすぎず、上手くバランスが取れているように思う。
この話では心葉自身はまだ変われてないし、遠子の正体とか(今回は遠子が妖怪だった意味なかったし)、美羽の存在とか、ななせのツンデレとかw、気なる事がいっぱいあるので続編に期待大出来ればななせの出番増希望w