 | 夏期限定トロピカルパフェ事件 米澤 穂信 東京創元社 2006-04-11 by G-Tools |
小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得戦と希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。賢しらに名探偵を気取るなどもってのほか。諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を！ そんな高校二年生小鳩君の、この夏の運命を左右するのは＜小佐内スイーツセレクション・夏＞！？
前作はそれぞれに繋がりはあるけど事件事態は各話毎の短編連作だったのに対し、今作は同じく短編連作ではあるが、各話毎小さな事件（というか出来事）を解決しつつ、全体を通して一つの大きな事件を追いかけていく話。
＜小佐内スイーツセレクション・夏＞にやられた！いろんな意味で。
まずその内容。甘いものが得意でない私には読んだだけで胸焼けを起こしそうな素晴らしいラインナップｗ
またそれに仕掛けられていた罠にも小鳩君同様見事に引っかかってしまった。
他にも甘いものの描写から作者がどれだけ甘いものを愛しているのかが伝わってくるんだけど・・・ゴメンナサイ。１つ目のケーキの説明以外全部飛ばしました(^^；深夜に甘いものの想像とか無理です。気持ち悪くなりそうです＿|￣|○
今回も小鳩君と小佐内さんの掛け合いがいい感じで、全体として良質なミステリだと思う。
短編としては第一章の「シャルロッテはぼくだけのもの」の小鳩君の葛藤と小細工が面白い。
最後が“あれ”なだけに早急に秋期限定ｷﾎﾞﾝﾇ(´・ω・`)
