いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



抗いし者たちの系譜 逆襲の魔王 (富士見ファンタジア文庫)&抗いし者たちの系譜 虚構の勇者 (富士見ファンタジア文庫)

抗いし者たちの系譜 逆襲の魔王」 三浦 良 富士見ファンタジー文庫
オンライン書店ビーケーワン:逆襲の魔王

出会えて嬉しかった。一瞬で恋したのも本当のこと。その思いに嘘はないから――全身全霊で彼と戦うのだ。
「…参ります」
再び邂逅した前魔王・ラジャスを見つめ、統一帝国皇帝・サラ=シャンカーラは、静かに剣を掲げた。
魔王を倒した人間の勇者・サラが、人間世界・魔物世界を統一してから4年。復讐を誓うラジャスが、サラの前に現れた、同時に動き出す、サラの命を狙う複数の陰謀。思惑が錯綜する中、ラジャスとサラは己の道を貫き通す。ぶつかりあう二つの想いが、選び取る真実とは!?
第17回ファンタジア長編小説大賞審査委員賞受賞作。逆襲の魔王と謀略の皇帝が織り成すラブ・ストーリー、開幕!

これは凄い!本当に新人か?
評判が良かったから古本で捜してきたもののファンタジーものは当たりハズレが大きいからそこまで期待してなかったんだけど、想像以上に面白かった。

あらすじにはラブ・ストーリーとあるけど、腹の探り合い、先の読み合いなど各々の思惑が錯綜する謀略、知略の争いがメイン。
キャラの内心が丁寧に描かれていて(そのために( )が多いのが特徴)キャラを把握しやすい。特にサラの内に秘めた恋心とその表現の仕方は秀逸。
また知略という面においても言葉の裏を読めなかったり読み間違えたりして読者が置いてけぼりを食うことがなくて良い。
戦闘もただ武力とか魔力をひけらかすのではなく、頭の勝負という色合いが濃いのも好印象。
とにかく新人とは思えない完成度の高さでかなりオススメな作品。


ただ、これ単体で完成品みたいなところがあるので次(「虚構の勇者」)が少し不安
(紅牙のルビーウルフみたく下降の一途の作品もあるしなぁ(^^;)



抗いし者たちの系譜 虚構の勇者」 三浦 良 富士見ファンタジー文庫
オンライン書店ビーケーワン:虚構の勇者

彼が私を認めたのは情愛からではなく、好敵手として。ならば理を以って謀る限り――彼は眼差しを向けてくれる。
「私の軍をラジャス閣下に預けます」
胸の奥に情愛を秘め、元勇者にして現魔王、そして統一帝国皇帝たるサラ=シャンカーラは、そう宣言した。
現魔王に対抗する勇者が存在するはず――サラへの反逆ともとれる内容の書簡に端を発し、揺れる帝国上層部。それぞれの思惑を持つ重臣たちから、勇者好捕して元魔王ラジャスの名が上がった時、事態は動く。暴走する“勇者探し”抑制のため、サラはある手段を講じるのだが……。そして2人が三度邂逅する時、明らかになる“真の勇者の姿”とは!?


今回のメインは中盤まで宰相スキピオ、後半ラジャス。
今回も知略の勝負がメインで、その象徴たる会議の場面は必見。
敵とその狙いは簡単にわかるけど、最後のオチは予想外で驚かされた。
前作同様完成度が高くかなり面白い。前作で感じた不安は杞憂だった。


そんなことより
秘書官のティアカバンさんが可愛すぎる件について
登場シーンは強くてクールそうな女性なのに、その後見せるうぶなところとか、ころころ変わる表情とか、意外にゲンキンなところとか・・・
要するに初めのイメージとその後のギャップにコロッとやられてしまったわけですな(・∀・)
ティアかわいいよティア(*´Д`)ハァハァ