いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



SHI‐NO―愛の証明 (富士見ミステリー文庫)

SHI−NO上月雨音富士見ミステリー文庫
オンライン書店ビーケーワン:SHI−NO

珍しくデパートへ買い物に来た「僕」たち。だが、なんとそこで爆弾騒ぎに巻き込まれてしまう! 爆弾を発見したものの、デパートの電源が落ち、閉じこめられてしまう。カウントは7200秒! 犯人はいったい!?
暗く、そして逃げることの出来ない僕と志乃の物語。第四弾!


シノシノの私服の可愛さが反則であります!(*´Д`*)その帽子とシノシノキックはヤバイよ志乃たん


あとがきにあるようにこれは愛の話。
これまでの作品より二人のシーンは少なめだけど、閉鎖空間の中での二人のやり取りは非常に濃くて大満足。僕(主人公)の志乃ちゃんに対する愛と志乃ちゃんの僕に対する愛はそれぞれ全く異質なものだけど、互いに相手を大切にし、分かり合おうとする姿がとてもいい。
ただビルに閉じ込められてる間はよかったんだけど、その前後はどうも納得がいかないことが多い。
デパートに閉じ込められること自体には文句はないけど、その状況に至る過程があまりに現実離れしていてパラレルワールドに迷い込んだ印象を受けた。非常ベルが鳴ってから閉じ込められるまでの時間が短いのにもかかわらず、閉じ込められた人が少なすぎ。(非常ベルが鳴る前に誘導したのか?・・・ねーな)それに外部からのなんらかの行動が何もないのも不自然。必ずどこかに窓があるはずだからそこから誰かが侵入してきたりするはず。少なくともその窓から外を見れるはずなのにその描写もない。現実に即した話なんだからもうちょっと考えて欲しいところ。
それとエピローグもしっくりこない。僕の出した結論はそのものはいいけどその過程が微妙。最後だけパッと出てきた真白に同じ様な内容の話を延々と繰り返されて誤魔化された気分。それに第一部完というわりに志乃本人に事件が終わったというアクションが何もないから、終わった感じが全くしない。
僕と志乃ちゃんの愛の話として読めば文句なしで面白いので「終わりよければすべてよし」じゃないけど、初めはともかく終わりは志乃ちゃんの出番を増やしてきっちり終わって欲しかった。



志乃ちゃんといいヴィクトリカといいなんだかいけない方向に突き進んでしまっている感覚になる。恐るべし富士ミスw((((;゜д゜)))