いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



冬の巨人 (徳間デュアル文庫)

冬の巨人古橋秀之徳間デュアル文庫
オンライン書店ビーケーワン:冬の巨人

終わりのない冬、果てのない凍土の只中を、休むことなく歩き続ける異形の巨人“ミール”。その背に造り上げられた都市は、人々の暮らす世界そのものだった。都市の片隅に住む貧しい少年オーリャは、神学院教授ディエーニンの助手として、地上から、そして空からこの“世界”の在り方を垣間見、そこで光り輝く少女と出会う。“世界の外”から訪れた不思議な少女は、老い果てた都市になにをもたらすのか。そして、千年の歩みの果てに巨人がたどり着くところとは──奇才・古橋秀之が描く異世界ファンタジー

白い方だったO(≧∇≦)O


イメージはジブリワールドin護くん*1ラピュタもののけ姫ハウルジブリじゃないけどちょっとスチームボーイも混ざってるかな)をごちゃ混ぜにしたような壮大な世界観の中で、分をわきまえているわりに純粋で笑顔が素敵な少年オーリャの成長を描く物語。オーリャの性格が穏やかで浮き沈みがほとんどない為、淡々と物語が進むのが特徴的。またオーリャ以外のキャラクターもそれぞれに魅力があり、それらの人々の複雑ながらも上手く簡略化されている人間関係も見どころ。唯一、腑に落ちないのはオーリャがザヴォーティンを説得するシーン。あの説得で大人が折れるとは到底思えないとか考えてしまうのはやさぐれ過ぎか?
とにかく1年以上待たせただけのことはある素晴らしい完成度で文句なしに面白い。また巨人ミール=地球と解釈することも出来るので、壮大かつメッセージ性の高い作品だと思う。

*1:護くんに女神を祝福を!の主人公 護くんこと