わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は”妖精さん”のものだったりします。平均身長10センチで3頭身、高い知能を持ち、お菓子が大好きな妖精さんたち。わたしは、そんな妖精さんと人との間を取り持つ重要な職、国際公務員の“調停官”となり、故郷のクスノキの里に帰ってきました。祖父の年齢でも現役でできる仕事なのだから、さぞや楽なことだろうとこの職を選んだわたし。さっそく妖精さんたちのもとへ挨拶に出向いたのですが……。
ゆるー
人間の文化が滅亡し人間は絶滅の危機に瀕している世界が舞台なのに雰囲気は牧歌的。主人公の女の子の適度なやる気のなさと妖精さんのキャラがゆるーい空気をかもし出している。また現在の日本(特に若者)を揶揄しつつ、それを笑いにする小ネタと攻殻機動隊(アニメ)のタチコマたちの会話を思わせる妖精さんたちの会話のカオスぶりが面白い。
とにかくゆるい雰囲気と脱力感が妙に心地いい作品だった。是非とも続きを希望。