運命の悪戯で皇子と入れ替わってしまったジグリット。生来の賢さでジグリットは巧妙に皇子になりすます。
一方、黒の騎士ファン・ダルタは過去の妄執に囚われていた。ジグリットがいない喪失感に蝕まれる騎士。そんな彼を救ったのは、ジグリット本人であった。ジューヌ皇子に光を見た騎士は、彼がジグリットであると確信する。それは信頼し合う者たちの再びの邂逅であった。
だが、運命はジグリットに平穏を与えはしない。タザリア国王クレイトス急逝。それとともに暗躍を始める有力貴族たち。ジグリットと黒の騎士は、自らのために戦うことを決意するのだが!?
正統派戦記ファンタジー第2段
今回も良かった。
ジグリットが表舞台に立ち、しかも喋るようになって静かだった1巻とは打って変わって物語に躍動感が出てきた感じ。
偽者疑惑や国内外の敵の襲撃など、次々と襲い掛かる問題の数々。その激流にもがきながらもその頭脳と行動力で乗り切っていくジグリットの姿は、経過でドキドキし結果で惚れ惚れする。また、今後関わってくるであろう登場人物の、ホッと一息つけるサイドストーリーの挟み方も上手く、流れに澱みがなく読みやすい。
でもそれ以上に印象的なのが、冬将の騎士ファン・ダルダ。ツンデレ炸裂! 基本がツンでジグリットの前だけデレている正統派ツンデレ。1巻でもその気はあったが、2巻でジグリットに助けられてからはエンジン全開w 惜しい、実に惜しい。これで男じゃなかったら完璧だったのに(何が?w
早くも王になってしまったジグリットの今後の行動はもちろん、今のところ交わっていないアルケナシュ公国にいる2人の少女どう関わってくるのか、今回は出番が少なくヤンデレぶりが鳴りを潜めていたリネアの出方などなど、気になることが多くて続きが楽しみ。