二〇〇四年八月、オリガ記念病院から退院したばかりの左手をなくした男、石杖所在と漆黒の義手義足を纏う迦遼海江は、ＳＶＳと呼ばれる「死のゲーム」に巻き込まれる。“シンカー”と称されるＡ（アゴニスト）異常症感染者、俗称“悪魔憑き”。二年前に行方を眩ました、灼熱の殺人鬼。そして二人の天才野球選手――。
彼らの失われた夏の跡を消し去るように、所在と海江の一度目の“悪魔払い”が行なわれる――
熱血野球サスペンス
これは熱い！！１巻とは比べ物にならないほど面白かった。ただ、思いっきり趣味に走った作品だから好き嫌いがはっきり分かれそう。
とにかく２巻の大部分を占めるＳ.ｖｓ.Ｓが熱い！
ピッチャーとバッターの間に流れる緊迫感、悪魔憑きによる殺人が進む中で二人の天才の哀しい過去が絡みあう展開、共に素晴らしい。そしてラストの哀しくも熱い命の削りあいは鳥肌もの。
また、それ以外の話には日守秋星にしろ石杖カナタにしろ『空の境界』に比べて遊びが多い。純粋な伝奇ものはあまり得意ではないのでこれは嬉しい。
次は妹話になるのかな？
