いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



銀月のソルトレージュ〈4〉扉なき仮宿 (富士見ファンタジア文庫)

「銀月のソルトレージュ4 扉なき仮宿」枯野瑛富士見ファンタジア文庫
銀月のソルトレージュ 4 (4) (富士見ファンタジア文庫 147-5)

王子(リュカ)不在の世界で、姫君(ジネット)は求める。最強の魔法書と言われる『ひとつめの嘘(ソルトレージュ)』を。
二百年を越える時を生きてなお、変わらず続く長い旅。だがその一方で、ジネットは偽らざる自分の思いと対峙していた。
「私は――彼に会いたい。彼と話がしたい」
そんな中、ジネットはひとりの少年と出会う。ソルと名乗るその少年は、二年前までの記憶をすべて失っていると言う。二年前。それは、リュカがこの世から消えた時――。
ひとつの確信を抱くジネットだったが、ソルの傍らには、『守るべき存在』である少女がいた……。
かつての敵が味方になり、味方が敵として立ちはだかる。物語は真相へ!


今までで一番面白くない。
以下酷評















3巻で崩壊してしまった感のあるストーリーは二年の空白を設けることにより何とか軌道修正・・・というか体裁を取り繕ろえた感はあるが、その代わりにこの作品の最大の魅力が失われてしまった。
女の子がこれでもかというほど可愛く描かれているのがこの作品の魅力だったのに、今回はそれがほとんど見られない。ジネットは終始テンパってる感じだし、新キャラのケッタはストーリーの鍵としての役割が濃くて彼女の心情は二の次といった印象。ケッタの見え隠れするソルへの思いは可愛らしかったが、如何せん描写が少なすぎ。 
やはりリュカの不在は大きいか。2巻までは基本リュカ視点で物語が進んでいたので、男目線から見た女の子の可愛さが見えたり、彼の性格や軽口のおかげで雰囲気が重くならずにすんでいた気がする。3巻はアリス視点があったからまだよかったのが、ほぼジネット視点の今回はちょっと重い。はっきり言ってジネットはメインにするには真面目すぎる。しかも直情型のジネットが気持ちよく動けない状況になっているので、苛々ばかりが伝わってくる。その上、決着はジネットは蚊帳の外。話の途中で続いたわけではなく、一応決着を見ているのにスッキリしないってのがどうにも気に入らない。
ストーリー的には3巻よりは良いかもしれないが、“楽しむ”という観点から見ると過去4巻の中では一番下。
リュカが復活し、フェルツヴェンに帰るようだから次に期待かな。アリスが普通に出てくれればいいんだけど。空白の二年があるだけに不安。


一番面白かったのは
『人生に小ネタ在れ』という名(迷)言かなw