いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



戦う司書と恋する爆弾 (戦う司書シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と恋する爆弾山形石雄スーパーダッシュ文庫
戦う司書と恋する爆弾 (集英社スーパーダッシュ文庫)

「ハミュッツ=メセタを、殺せ」――死者の全てが『本』になり、図書館に収められる世界の話。記憶を奪われ、胸に爆弾を埋め込まれた少年コリオ=トニス。彼の生きる目的は、世界最強の武装司書、ハミュッツ=メセタを殺すこと。だが、ある日手に入れた美しい姫の『本』に、彼は一目で恋をする。その恋が、コリオを更に壮大な争いに巻き込んでいく…。

死者の記憶が『本』として残る世界の物語。『本』(表紙で見る限り見た目は鉱物?)はそれに触れることで死者の記憶を脳内で映像として見ることが出来る。


前半は我慢、後半はなかなか。
冒頭いきなり気持ち悪いシーンから始まり、その後も主人公の一人のコリオにほとんど感情がく物語に起伏がないので、ただ設定を頭に入れるだけ。
面白くなってくるのは後半コリオがハミュッツに会い、彼が葛藤し始めてから。
敵の罠に嵌り追い詰められていくハミュッツ。それに平行して徐々に明かされる250年前の真実とコリオと彼が手にした『本』の姫との奇妙な関係。さらにそこにタイムパラドックス的な要素も加わって前半とは打って変わった盛り上がりみせてくれる。そしてその二つが集約し、いくつかの謎も綺麗に片付く決着はなかなかの爽快感。
欲を言えばもう少しキャラクターに個性が欲しいところ。一人だけ個性が強すぎるハミュッツが完全に浮いている。でもコリオが○○○なところを見るとメインは毎回変わりそうなので、次はハミュッツに個性で対抗できるキャラが出るといいなぁ。


表紙のそれはミッ○ィーにしか見えないのだがありなのか?w