いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



銀月のソルトレージュ5 針のように細い銀の月 (富士見ファンタジア文庫)

「銀月のソルトレージュ5 針のように細い銀の月」枯野瑛富士見ファンタジア文庫
銀月のソルトレージュ5  針のように細い銀の月 (富士見ファンタジア文庫 147-6)

数奇な運命の下、今またこの世界に舞い戻ったリュカ・エルモント。
「可愛いバカ娘を――宜しく、頼む」
そうしてジネットを託されたリュカは、図らずも新婚のような生活を彼女と送ることに。一方で、誰よりも大切にしてきた少女(アリス)は、リュカを置いてちょっとだけ大人になっていて、内心複雑だった。
そんな平穏は、だが長くは続かない。
ついに魔女フィオル・キセルメルの目的が明らかになり、生かす者と殺す者、双方が動き出した。そして、リュカとジネットもまた、戦いの場に赴いていく。
時の流れから取り残された人々と、取り残された物語の行方は――!?
本格ファンタジー、感動の完結巻!!


リュカがいるとこんなに違うもんなのか。とにかく女の子の可愛いこと可愛いこと。
まずはジネット。今までの凛とした姿はどこへやら。100%デレ状態でまさに新妻、微笑ましいこの上なし。あのエプロン姿と食卓の笑顔はある意味凶器だなw 
アリスは・・・アリスはいい子すぎて泣ける。・゚・(ノД`)・゚・。
リュカとアリスの会話は切なくて全部泣ける。特に最後のは強烈。こんなに重い「いってらっしゃい」は初めてだ。あんなに一途に健気に頑張ってきたんだから、最後くらいちょっとはアリスにもいい思いをさせてあげても良かったのに。
ストーリーの方は、前巻と繋がっているようで噛み合ってないに流れと、カラー口絵と初めの数十ページで最後の展開の八割方読めてしまう驚きのない組み立てには首をひねるばかり。とりあえず口絵にあれを選んだの失敗だろう。331ページの挿絵と反対にすれば良かったのに。
これで終わりか。折角リュカが帰ってきただけにもったいない。
このシリーズは“男(リュカ)目線で女の子を可愛く描く”という一点に関しては他の追随を許さない素晴らしい作品だった。それだけに3巻から行き当たりばったり展開じゃなければ傑作だったんだけどなぁ(^^;