いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



ある夏のお見合いと、あるいは空を泳ぐアネモイと。 (一迅社文庫)

「ある夏のお見合いと、あるいは空を泳ぐアネモイと。」朱門優一迅社文庫
ある夏のお見合いと、あるいは空を泳ぐアネモイと。 (一迅社文庫 し 2-1)

「――ほら、わんちゃん。いつものようにお散歩、しますわよ?」
ちょっぴり変わったその片田舎の町の名は、十五夜草(いふご)町。
そこに住まう『日輪(たちもり りん)』と、その幼なじみの『穂積之宮(ほずのみや)いちこ』。二人は実に仲睦まじい──主従関係にあった。
いちこは由緒正しい神社の巫女だが、とんでもないドS巫女。輪は今日も今日とて、下僕(わんちゃん)扱いされるペットな日々を送っていた。
そんないちこが突然、真っ赤な顔で申し込んできたお見合い。でも、その『お見合い』は普通とはちょっと違っていて──?
――これは「見えないものを探す」物語。いったいどこへ落としてきたのやら。しっかり探さないと、ほら、神様に怒られてしまうよ?


ギャルゲーのシナリオライターさんらしい作hあ、これ昨日も使ったなw


面白いことは面白いが、、、なんだろうこのスッキリしない感じ。
作品に流れるほのぼのとした雰囲気は好みだし、輪の一人ノリツッコミが連発する一人称の語りや、アネモイとの噛み合う噛み合わない以前のズレまくりの会話は面白い。
でも、話が全体的にぼやけているというかしっくりこないというか。主人公の鈍感さや不甲斐なさとは別のもやもやが残る。祭の存在が曖昧すぎるせいかな?
文体は面白く、1冊でしっかり完結していて、作者の言いたいことも伝わってくるのに、どうにもスッキリしない妙な作品だった。