いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



ANGEL+DIVE〈1〉STARFAKE (一迅社文庫)

「ANGEL+DIVE1 STARFAKE」十文字青一迅社文庫
ANGEL+DIVE (1) (一迅社文庫 (し-01-01))

温厚を通り越し自分に害をなす相手にまで心優しいそんな少年・夏彦。いつも相手のことを第一に考え、自分のことは後回しばかり。幼馴染には心配をかけ、小学生の妹には叱りつけられる毎日。
そんな頼りなく受動的な夏彦が、ある日偶然出会ったトワコという少女に不思議と心惹かれてゆくことに。
――しかし、出合って間もなく彼女は姿を消してしまう。釈然としない夏彦は同級生たちの力を借りて彼女の捜索に乗り出すも、同じく彼女を追っている者たちと遭遇し……!?
今、運命に翻弄される少年少女たちの物語が幕を開ける!!

90年代の日本(主に北海道)が舞台。まだ謎だらけだが、とりあえず魔法(魔術)の話。


さすがにラインナップの一番上にあるだけのことはあった。
前半は表紙の印象もあるのかどこかゴシック調で静かな雰囲気で淡々と進んでいくが、超絶に純朴かつ鈍感な少年夏彦(主人公)と言葉は汚く我の強いドS美少女依慧と不思議ちゃん織慧の姉妹が合い、そこに猫と幼馴染が大好きな普通の少女希有が加わって4人になってからが面白い。
このどう見ても噛み合いそうにないメンバーで交わされる会話が秀逸。どこまでいってもイエスマンの夏彦と依慧の暖簾に腕押し会話や、夏彦を巡って争われる犬(希有)*1と猫(依慧)+鸚鵡(織慧)の言い争いは軽快なコントの様。それに希有の家、相良家の面々を加えた会話も面白い。真面目な口調で会話しているところに突如入れられるシュールなボケで何度笑わされたことか。
キャラと会話だけでも十分楽しめたけど、未だ謎だらけの魔法(魔術?)の存在、思わせ振りなエピローグとストーリーも興味深く続きが楽しみ。

*1:猫大好きな希有だけど、夏彦ぴったりついて歩く姿はまさに犬。本人は不本意だろうがw