いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



暗く、深い、夜の泉 (一迅社文庫 は 1-2)

「暗く、深い、夜の泉」萩原麻里一迅社文庫
暗く、深い、夜の泉 (一迅社文庫 は 1-2)

自動車事故で父親を亡くした「佐原左記子」は、転入先の全寮制の谷津柱高校で、ある規則を耳にする。
"この地に伝わる怪談を口にしてはならない"
そう語る理事長の娘「倉宮凪」の忠告に関わらず、偶然か必然か左記子は「タタリ姫」伝承の影に引き込まれ、周囲に不穏な事件が頻発していく。
なぜ左記子が……
その秘密に気づいたとき、恐ろしい事実が……。

2004年刊行の「暗く、深い、夜の泉。 蛇々哩姫」(講談社X文庫ホワイトハート)を加筆修正したもの。


人里はなれた学園が舞台の伝奇もの。
暗めの雰囲気といい謎を小出しにして興味の引く方法といいこの作者らしい作品という印象。「トキオカシ」や「月夜のクロースター」の原点を見た気がした。(まぁ読んだのは3作品だけでデビュー作読んでないんだけど)
これまで読んだ萩原作品の中で最もダークな作品。
おどろおどろしい雰囲気と主人公の左記子の危なっかしさで不安を感じながらも謎が謎を呼ぶ展開に惹き付けられる。そして十分惹きつけられたところでクライマックスに衝撃が。確かにどちらのフラグも立っていたけど、それまで全く逆の流れだったのに・・・やられた。


これって続きも一迅社文庫で出していくのかな。出ないなら続きをホワイトハートで探しに行かないと。