いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



数学ガール/フェルマーの最終定理 (数学ガールシリーズ 2)

数学ガール フェルマーの最終定理結城浩ソフトバンク クリエイティブ)
数学ガール/フェルマーの最終定理

「僕」たちが追い求めた、整数の《ほんとうの姿》とは?
「僕」と三人の少女が織りなす魅惑の数学物語。


一日1〜2章のペースでゆっくりと読了。


なんと言うか・・・山頂は霧でした。
第9章までは何度かつっかかりながらも何とか登ってこれたのに、第10章に入ったらいきなり霧の中だった。フェルマー(というかワイルズか?)恐るべし。
理解している時のミルカさんの説明は美しいけど、理解してないと完全に呪文。数学苦手な人が数式見るとこんな感じなのかな? ある意味いい経験だったかも。


というわけで第10章はお手上げだったけど、今回も主人公の力技な解法に「あーやるやる」と共感し、ミルカさんの美しい解法にギャフンといわされるという流れで、一緒に勉強してるような気分を味わえた。
個人的に一番印象的なのは「第5章 砕ける素数
高校で複素数を習った時の数学教師がかなり無能な教師だったので、複素数を理解するのに苦労した経験があるのだが、本書の説明は非常に分かりやすかった。
また新キャラの従妹のユーリを含め前作に比べて女の子達の動きが激しく、数学を抜きにしても面白い。特に今回はテトラちゃんがいい。章が進むに連れ少しずつ勇気の出し方が大胆になっていく様子が可愛らしい。
それと今回は前作以上に数学で使う言葉を大切にしていた気がする。同じ言葉を何度も繰り返しだす事で、その言葉を自然と印象付けられる。
繰り返して印象付ける数学の中の言葉と取っ付き易くしてくれる物語としての言葉。本書は「言葉を大切にする楽しい数学書」だと思う。
数式を見るとわくわくする生粋の理系の人には絶対オススメ。