いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



とらドラ!〈9〉 (電撃文庫)

とらドラ9!」竹宮ゆゆこ電撃文庫
とらドラ 9 (9) (電撃文庫 た 20-12)

修学旅行の冬の雪山で思いがけず大河の本当の気持ちを知ってしまった竜児。大河はそのとき事故によって意識朦朧となっており、しゃべってしまったことを覚えていなかった。そんな大河を前に竜児は態度を決めかねるが……。
そして高校二年も残りわずかとなり、竜児は進路をめぐって泰子と衝突。なにかと先の見えない五里霧中の竜児に、一方では実乃梨と亜美が本当のところを見せはじめる──。
超弩級ブコメもいよいよ佳境に突入。目が離せない第9弾!


ふー・・・
シリーズ史上、最も苦しく最も笑えない。でも現時点でシリーズ最高傑作。
まるでボクシングでノーガードの打ち合いを観ているかのような痛々しいまでの感情のぶつけ合い。竜児も大河も実乃梨も亜美も北村・・・は蚊帳の外だったけど。
竜児と大河が呟いた「おまえ(あんた)がなに考えてるか分からない」というのが今回のテーマというか本質だった気が。誰も彼も自分だけではなくちゃんと周りのことも考えていて、それゆえに空回りしたり苦しんだり。恋に限らず人間関係ってホントままならないよなぁ。自己中心的なやつが一人もいないから余計に強く感じる。
実乃梨も亜美ついに口から本音が出たね。亜美は何がしたいのかよく分からないところがあったから、行動の意味が分かってスッキリした。いい娘だね・・・あんまり好きにはなれないけど。
でも本音という点では一番は竜児。主人公でありながらこれまでは一歩引いて周りを見ていたところがあったから、問答無用で渦中に放り込まれ、さらに追い討ちをかけられようやく本音が出てきた。ここまで来てやっと本当の意味で竜児の物語になった気がする。
もの凄い終わり方で先が読めないから続きが気になってしょうがない。次はいつだ?