いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



激辛!夏風高校カレー部(いもうと付) (集英社スーパーダッシュ文庫)

「激辛!夏風高校カレー部(いもうと付)」神楽坂淳スーパーダッシュ文庫
激辛!夏風高校カレー部(いもうと付) (集英社スーパーダッシュ文庫 か 12-2)

桐野魁は、夏風高校の名門カレー部の幽霊部員。カレーに対する情熱だけは誰にも負けないカレー馬鹿だが、部の本流とはかけ離れた嗜好のため目立たない存在だった。ある日、「全国高校カレー選手権」に出場するはずの精鋭たちが次々と事故で負傷し大会に参加できなくなってしまう。無事だったのは、選手権に参加しない魁と、魁の幼なじみの大食い少女・紅だけだった。部の威厳とカレーに対する思いを賭け、素人同然の仲間を集め、優勝を目指す! 激烈スパイシーコメディ、こっそり妹つき♪

背表紙のあらすじが微妙に内容と違うなぁ(^^; まいっかw


かつて読むと腹が減る作品はいくつもあれどこれほどのものはあったのだろうか。
どうしたって食欲をそそるカレーという題材。そしてカレーの旨そうに読ませるこの描写力。深夜に読んでえらい目にあったw
これはヤバイ!


さて内容は、、、
もったいないというかもどかしいというか。
個性的なキャラクターにカレー部や「全国高校カレー選手権」というおバカだけど燃えるシュチュエーションと舞台設定は最高。実際開始数十ページは「ベン・トー」に続くSD文庫が送る熱血飲食おバカ小説の傑作か?とwktkしながら読んでいたのだが。
内容がまったくもって煮え切らない。
まず闘争心があまりない主人公を焚きつける方法も恋の駆け引きも全員やってることが同じ。みんな勝ったらどうとか負けたらどうとか、キャラの個性は無視ですか? 3回目に「賭け」の文字が出た時点でさすがに熱が冷めた。
そしてクライマックスである「全国高校カレー選手権」があっさりしすぎていて全く燃えない。淡々と状況と料理を説明するだけで対戦相手の描写も薄いし、激闘や優勝の盛り上がりもなし。その上、立てたフラグも未回収のまま終了って・・・(コジマ君の鶏じゃ駄目フラグ→華麗にスルー。「バラバラで大会へ」と大会での友情フラグ→特にまとまった感じもなく主人公の思いつきで優勝・・・えー('A`)
素材は完璧だっただけにもう少し煮詰めてくれれば絶対傑作になったのに。