いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



羽矢美さんの縁結び (一迅社文庫 ふ 1-1)

「羽矢美さんの縁結び」深川拓(一迅社文庫
羽矢美さんの縁結び (一迅社文庫 ふ 1-1)

「へーきへーき。奇稲田姫の巫女は、縁結びのためには肉体だけじゃなくて頭脳のほうも酷使してるからね。栄養補給えーよーほきゅー!」
そう言いながらボクの目の前で、ケーキの山を丸ごとペロリとたいらげる少女の名は「羽矢美」。
ボクの幼馴染みの彼女は、誰の目から見ても黒髪ロングでほっそりとした体つき、そして清楚な顔立ちという見た目からして文句がないほどの美少女だけど、ただ一つ大きな欠点がありました。
それは、自分の恋路より他人の恋路、縁結びにしか興味がないこと。
新たな恋の予感を特有の巫女の直観(?)で察知して、何度も勘違いや失敗をしようと懲りもせず、今日も馬に蹴られかねない勢いで余計なお世話の「縁結び大作戦」を開始するのだが…。
え、羽矢美の今度のターゲットは教師と生徒だって? それは絶対にマズイよ、やめようよ〜!!!


これはやられた。見事にやられた。
よくよく読んで(見て)みればそうだよなー


正直中盤まではかなりきつかった。羽矢美の行為は好意の押し付けにか見えないし、何の前触れもなく出てきた智遊子というキャラはうざくて不快だし、何よりこの物語の語り部である真守が羽矢美に振り回され続けでうんざりした気持ちしか伝わってこない。何度投げようかと思ったことか。
ところが羽矢美に振り回されていただけの真守が自分の気持ちを吐露してから一変。語り部の気持ち一つでここまで変わるとは。
それまでの言動とのギャップも相まって自分の恋に悩む真守クンが可愛いこと可愛いこと。ラストもこっぱずかしくてベタ甘な展開だけど、それまで羽矢美や智遊子のうざさを共有してきた仲間?の真守クンなら素直に良かったと思える。
まさに終わり良ければ全て良しな読後感。前2/3はまるで面白くないが、長い前振りだと思えばおk


〜激しくネタバレな一言にして最も言いたかった一言〜


ボクっ娘さいこー!(*´Д`)b