いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



狼と香辛料〈10〉 (電撃文庫)

狼と香辛料 X」支倉凍砂電撃文庫
狼と香辛料〈10〉 (電撃文庫)

ケルーベでの騒動の後、ロレンスたちが向かったのは海を渡った島国ウィンフィール王国。目的地は、『狼の骨』を持つという聖ブロンデル修道院だ。
王国に着いたロレンスたちは、港町の商会で、羊毛取引で富裕なはずの修道院が経済的危機に陥っていると耳にする。しかも、世界最強と名高い経済同盟ルウィック同盟が、修道院の広大な土地を狙って王国に進出してきたという。不穏な情勢の中、ロレンスたちは修道院へ近づく足がかりを作るため、同盟の一員である商人ピアスキーに協力を依頼することになるのだが――?
絶好調の新感覚ファンタジー第10弾、舞台はウィンフィール王国へ!!

この表紙のホロがシリーズ史上最高に可愛らしい一枚だと思う。


酒飲んでイチャイチャして大事に巻き込まれて商売する。と、まあいつも通りの流れで安定した面白さ。
ただ、事は大きいはずなのにロレンスの感情にあまり起伏がないのでいつもより穏やかな雰囲気。
そのロレンスの落ち着きぶりが今回の一番の特徴かも。何度か動揺することはあっても、すぐに立ち直り反撃の一手を考えられる落ち着きよう。これまで窮地はホロが助けてきたのでロレンスはピンチに弱いイメージがあったけど、今回は確かな成長を感じた。
あとは泣くホロ。ここまで動揺した姿は初めてか。純粋に切ない涙だった。涙も武器にしそうなタイプだから素で泣いたら可愛いのかと思っていたのでちょっと意外。
この二人のいつもとは対照的な姿が印象的だった。
思わせぶりな終わり方だったけど、ヨイツには何が待っている?