いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



この広い世界にふたりぼっちIII (MF文庫J)

「この広い世界にふたりぼっち III 神狩の夜」葉村哲MF文庫J
この広い世界にふたりぼっちIII (MF文庫J)

―――――「ようこそ、私にうってつけの街へ。塚木咲希」―――――
頬に浮かぶ酷薄な微笑、見慣れぬ制服をまとった彼女は、塚木咲希。――すなわち、咲希自身だった。ふたりが対面した瞬間に、どこにでもある平凡な街は様相を一変させた。人に混じり妖精や小人が歩き、近代的なビルの隣には石造りの古い塔が立つ。神話と現世が混ざり合い、女神ヴェルザンディの望みが今、叶えられようとしていたのだ。そのとき、パートナーである白銀の狼・月喰いが不調を訴えて、本物の咲希に牙をむいた! 封印された神の物語が解き放たれるとき、地上に残るのは神か、人か。


相変わらず雰囲気がいい。
優しくない夢の中いるような気分。2巻もこの3巻もことが突然始まるので状況が把握できないのだが、訳がわからないままこの雰囲気に飲み込まれる。その感覚が心地いい。
3巻は個人的には白黒(咲希&シロ)<赤(蝶々&赤い狼)だった。
咲希のシロに対する予想以上の執着とらしくない動揺。心が動く咲希も悪くなかったけど、咲希には完全なものであってほしいかったというのが正直なところ。そんな咲希の姿より心に響いたのが赤い二人の関係性。この二人の儚さや切なさがが作品の雰囲気に合っていて良かった。
最終回っぽい終わり方だけどこれが最終巻?