軍国から戻ったセシリーたち一行。混乱を極めた三国一都市による対ヴァルバニル戦の全権を帝政列集国や軍国が掌握することもひとまず保留となり、しばしの休息となった。異世界ファンタジー第五巻は、セシリー、ルーク、リサ、アリアたちのそれぞれの日常を描くショートストーリー。刃を休ませて油を塗り替える束の間にのみ観賞できる刃紋――本格異世界ファンタジーの“側面”をゆるり堪能されたし――。
セシリーたちの束の間の日常+『聖剣の鞘』の秘密という内容で、嵐の前の静けさ・・・かと思いきや、やっぱり熱い!
まずは第13話「日々」は恋愛。
ラブラブじゃねーか! ちくしょーw
ルークはリーザを引きずっているようだったから、想いの強さはもっとセシリー>>>ルークなのかと思ってた。ルーク=セシリーだったなんて。そればかりか「セシリー=ただの女」のルークと「ルーク=ヒーロー」のセシリーではラブ度はルークの方が高いじゃないか。それを暴き出したリサ+二名には多大なる感謝をw
第14話「聖剣の鞘」は核心へ。
早くも明かされるセシリーの秘密。それを知って烈火の如く怒るルークが熱い。そしてどんな時でもルークを信じきるセシリーも。これでどちらも文字通り「命がけ」になってしまったのか。ルークの状態をセシリーが知ったらどうなるかな。セシリーなら落ち込む間もなく怒ってもがくんだろうな、きっと。
それにしても、作者にとってこの秘密はこれ自体でどうこうするのではなく、これでキャラをどう動かすかが肝だったのか。切り札の使い方が上手いなぁ。
というわけで、ルークとセシリーを結びつきを強くする5巻だった。明かされた過酷な運命に不穏な空気を振りまくエピローグ、次から苛烈になること必至で続きが楽しみ。