いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



放課後限定勇者さま。 (電撃文庫)

「放課後限定勇者さま。」七飯宏隆電撃文庫
放課後限定勇者さま。 (電撃文庫)

『将来の夢はニート、もしくは引きこもり』である人生マイペース主人公・格里終夜は、なぜか突然異世界に召喚された。そして、いかにもファンタジー世界な宮殿の中で、露出が激しい装備品を着けた美少女から、「ともに魔王を倒してくれ」と誘われた。よくよく話を聞いてみると、どうやらぼくは勇者らしい……
って、なんだ、このベタな展開は!? 今日びゲームでもそんな展開は飽きられてるってのに……。てか、ぼくはただのニート志望の高校生なんだけど。
──そんなニート“勇者”が世界を救う!? 露出豊富な王道ストーリー登場!


うーん、初めはよかったんだけどなぁ
高校生が異世界の勇者にというシチュエーションだけでなく、世界観やら世間知らずの天然ヒロインやら諸設定がどれもベッタベタ。でも主人公の性格が一味違う。勇者に全く相応しくないそのやる気のなさとひねくれた性格で、ベタな設定を次々とネタにしていく主人公の反応が面白い。
もう一つの魅力はレギンレイヴ族=喋る猫たち。毒舌かつ小物臭たっぷりの可愛らしい姿に笑って癒されること。
しかし後半、細かな設定が分かってくると急にトーンダウン。
まずは主人公の過去の傷が見えてしまったことで、主人公のひねくれが味気ないものに。正直、あまりにお子ちゃまでがっかりした。加えて主人公の能力が万能すぎ。中盤の一番いいシーンが無駄な努力と分かって台無しだし、今回のラスボス戦もイマイチ熱い展開にはならず。
タロットの御主人様。」よりは楽しめたけど、尻すぼみ感は否めない。


〜挿絵に一言〜
下乳は素晴らしいのだがネコが可愛くない。この作品の魅力の半分はネコといっても過言ではないのに、これはいただけない。
ちなみに私の脳内ではキャラデザを無視して某P村にいるネコートさんの姿に変換されていました。