いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ねこシス」伏見つかさ(電撃文庫)

ねこシス (電撃文庫)
ねこシス (電撃文庫 ふ 8-9)

人間に憧れる猫又姉妹の三女・美緒は、14歳にして、ようやく人間の姿に化けられるようになった。そのまま人間として生きていくかどうかは、まずは人間世界を体験してから決めろ──長姉にそう命じられた美緒は、人間を理解するために、七日七晩、人間の姿で過ごすことになる。慣れない二足歩行をはじめとして、人間の言葉、人間のお風呂、人間の友達、人間の恋愛──何もかもが初体験の美緒は戸惑うばかりで……!?
『人間嫌い』の長女・かぐら。『人間の文化に傾倒』する次女・千夜子。『人間が大好き』な四女・鈴。そして、『人間になったばかり』の三女・美緒。柄も性格もてんでバラバラな四姉妹が繰り広げる、ネコ耳ホームコメディ!


人間の姿に成り立ての猫又の美緒視点で描かれる“人間”の話で、ほんわかな雰囲気の普通にいい話。
猫と人間の感覚の違いとか猫から見た人間とか“猫目線”がこの作品の肝だとは思うのだけど、個人的なツボは次女の千夜子。
「俺妹」の某キャラの元となったキャラなだけあって、素っ気ない態度とか重度のオタとか似たところがいっぱいなのだが、なんでか千夜子の方が全然可愛く感じる。照れ隠しの辛辣な言動に含まれるデレ成分が多めなのがいいのかも。
千夜子の出てくるシーンはデレやら優しさが見えていて好きなのだが、中でも第三話で千夜子とクロがじゃれ合ってるシーンが一番好き。台詞の微笑ましさもさることながら、このシーンの絵を想像するとニヤニヤが止まらない(想像でニヤニヤとか変態ですな
ただこの作品、電撃MAGAZINEに連載されたものがほとんどそのまま。文庫化にあたって加筆やおまけの番外編か何かがあるのかと思ったのだが。電撃MAGAZINEで一度読んだ身としてはどうしたって物足りない。