いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「へヴィーオブジェクト」鎌池和馬(電撃文庫)

ヘヴィーオブジェクト (電撃文庫)
ヘヴィーオブジェクト (電撃文庫 か 12-21)

結局、戦争はなくならなかった。
でも、変化はあった。くだらない殺し合いが淡々と続く中にも、変化はあった。
超大型兵器オブジェクト。
それが、戦争の全てを変えた。
戦場に派遣留学した学生・クウェンサーは、整備基地で、奇妙な雰囲気を持つ少女と出会う。その少女は『エリート』と呼ばれていた───『オブジェクト』のパイロットとして。
近い将来。このちっぽけな少年は、少女のために、最強の兵器『オブジェクト』に、生身で立ち向かうことになる。
これは、そのきっかけとなる出会いだった───。


見事に騙された。でも、面白かった。
帯のボーイミーツガールの文字から少年と少女の物語を、あらすじや序盤のオブジェクトの説明などから重厚なSFアクションを想像したら、少年二人が大暴れする一昔前のハリウッド映画のような軽いノリのアクションだった。
思わず「何で生きてるの?」とか「いや無理だろ!」とかツッコミを入れてしまいたくなるようなハチャメチャな展開と、どんな死線でも軽いクウェンサーとヘイヴィアの掛け合いに、初めはオイオイと思いながら読んでいたのだけど、話が進むにつれその破天荒ぶりが段々楽しくなってきた。50mを優に超える超弩級兵器相手でも気合と根性で乗り切らせてしまうあたり、流石上条さんの生みの親というかなんというか。
残念なのはお姫様(表紙の子)の影の薄さ。割といい性格しててキャラは立っているのだが、出番が恐ろしく少ない。そもそも口絵には名前があるけど、本編では名前すら出てこないってどういうことなの?
あとがきに新シリーズとあるから続きも出るのかな? 次はお姫様に活躍の場を!