いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「まよチキ!」あさのハジメ(MF文庫J)

まよチキ! (MF文庫J)
まよチキ! (MF文庫 J ) (MF文庫 J あ 7-1)

クラスメイトの涼月奏に執事として仕えている美少年・近衛スバル。ふとした事故により、俺はスバルの秘密を知ってしまう。華奢な身体。かすかに漂う香り。掌に吸い付く柔らかい感触……って、こいつ女の子だったのか!? 「ボクはおまえの記憶が飛ぶまで殴り続ける。それが執事の記憶消去術だ」「その方法に執事は関係ねえだろ!」どうやら彼女は家庭の事情とやらで、女の子であることがバレると執事を辞めなくてはいけないらしい。そんな中、奏はスバルの秘密を守ることと引き替えに、ある協力を俺に申し出てくるが……? 第5回新人賞〈最優秀賞〉受賞の学園執事ラブコメ


これホントに新人か?
キャラ作りは上手いし会話のテンポも良いし、話の展開もそつがない。
中でも特筆すべきはスバルが可愛さ。
とある事情で男としてすごさなければならないために基本はツンツンしているのが、それが簡単にほころぶ迂闊さがまず可愛い。またその時の無防備で初心な様子は、普段ちゃんと男として振舞えているのか心配になるほど女の子女の子していて、それが可愛いったらない。
コメディとしても黒いお嬢様 奏が上手いこと引っ張ってくれていてスピーディーで、テンション高めの主人公との掛け合いも良く面白い。
完成度が高く普通に面白い。ラブコメ好きなら安心して楽しめる作品。



と、作品単体で見ると悪くはないが新人賞としてみると綺麗にまとまり過ぎている気が。悪く言うと個性がない。
最優秀賞の肩書きに期待しすぎたか?
でも、去年がベネズエラ(優秀)、ドルイドさん(佳)、ふたりぼっち(佳)で、今年の審査員特別賞がごくペン!。これは期待するなって言う方が間違いだよなあ。完成度で選ぶなとは言わないけど、新人賞にはもっと尖がってて欲しいというのが本音。
今年の新人賞の中では完成度だけなら間違いなく一番上なんだろうけど、今後の期待値は『ごくペン!』や『ゴミ箱から失礼いたします』の方が上かな。