いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「[映]アムリタ」野崎まど(メディアワークス文庫)

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)
[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)

自主制作映画に参加することになった芸大生の二見遭一。その映画は天才と噂されるつかみどころのない性格の女性、最原最早の監督作品だった。
最初はその天才という呼び名に半信半疑だったものの。二見は彼女のコンテを読み始めた直後にその魅力にとりつかれ、なんと二日以上もの間読み続けてしまう。彼女が撮る映画、そして彼女自身への興味が二見を撮影へのめりこませていく。そしてついに映画は完成するのだが――。
第16回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞〉受賞作。

いつもどおり激しくネタバレです。ネタバレすると面白くないので未読の方はご注意を。



なっ・・・・・・んだこれ。
表紙とあらすじで青春小説なのかと思ったら、ホラーが出てきた。表紙詐欺もいいところだw
要約すると学生映画の場を借りたマッドサイエンティストの実験の話か?
後半、些細な疑問が疑心暗鬼を呼び不の思考が加速していく展開には引き込まれたが、読み始めの心構えとまるで違うものが出てきたからなのか、エピローグのせいなのか、大いにモヤモヤしたものが残る。それに静かで薄暗い雰囲気と軽快なボケツッコミ会話。それぞれ個別には好きなのだが、見事なまでに噛み合ってない。
と、なんともチグハグな感じがなする物語だった。雰囲気は嫌いじゃないが面白かったかどうかと問われると微妙。とりあえず最早の作る映画はどんなに感情を揺さぶられたとしても楽しそうじゃないな。