いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「空の彼方2」菱田愛日(メディアワークス文庫)

空の彼方〈2〉 (メディアワークス文庫)
空の彼方 2 (メディアワークス文庫 ひ 1-2)

旅人たちの帰りを待つ、防具屋[シャイニーテラス]の女主人ソラ。自由を求め、身分を捨てた元貴族の傭兵アルフォンス。二人の距離は、ゆっくりとではあるが縮まりつつあった。
 そんな冬のある日、アルフォンスのもとに“元貴族”という立場を利用しなければならない任務が舞い込む。迷う彼の背中を押したソラだったが、アルがその任務先で危機に陥ったことを知る。ソラは店を訪れる人々と協力し、アルを救おうとするのだが――!?
 これは、不思議な防具屋を舞台にした心洗われるファンタジー。第16回電撃小説大賞〈選考委員奨励賞〉受賞作第2弾。

地下の防具屋で女主人ソラに対し冒険者たちの言葉で紡がれる冒険譚、第2弾。



やっぱりこの作品の「いってらっしゃい」の切なさと「おかえりなさい」の安堵感は格別だ。
大きく雰囲気が変わっていなくて良かった。
アルフォンスとソラの結びつきが強くなったことで、待つものの辛さが強調されて切なさは倍増していたものの、危惧していたラブ寄せで雰囲気ぶち壊しということはなかった。どちらかと言えば前の淡々として落ち着ける空気の方が好みだが、五年間止まっていたソラが少しずつ感情を取り戻していく様子も前とは少し違う温かみがあって良かった。欲を言えばゲストキャラ?のリックにもう少し味があればもっと良かったのだけど。
どうやら次もあるようで。アルフォンスがメインなのは分かるけど、もう少し他の冒険者の話も読みたい。