いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ベン・トー6 和栗おこわ弁当310円」アサウラ(スーパーダッシュ文庫)

ベン・トー 6 和栗おこわ弁当310円 (スーパーダッシュ文庫)
ベン・トー 6 和栗おこわ弁当310円 (集英社スーパーダッシュ文庫)

半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤洋は、新たに開拓したスーパーで、存在感溢れる半額神・ビッグ・マムと、そこを主戦場とする厄介な「狼」山木柚子と出逢う。ある目的のために佐藤の苦難の食生活が始まる一方、槍水は彼女が溺愛する妹・茉莉花が文化祭に見学に来るため、心配で落ち着かない日々。そしていよいよ文化祭当日、友人のイベントに借り出された槍水の代わりに佐藤が茉莉花の面倒をみることになるのだが――。 甘美な罠を退け、誇り高くあれ! 「狼」としての底力がいま試される! 庶民派シリアスギャグアクション、禁断の第7弾!


今回はやけに華やかですねぇ。
いつものメンバーに加え、妹に女子大生に先輩の友人×2と新女性キャラ続々登場&変態男キャラの主張もそれほど強くないのでベン・トーとは思えない華やかさ。
そんないっぱいいた女性陣の中で最も輝いていたのは槍水姉妹。
寂しがり屋な面や赤面、ヤキモチなど、いつもなら1度2度あればいいところな可愛い面を、何度も見せてくれた姉・仙に、人見知りと言いながら佐藤や著莪に懐く子犬みたいな様子や、あちこちに見える頑張って背伸びしている感が可愛らしい妹・茉莉花。この姉妹なにがいいって、その無防備さよね。特に胸とかねw そこだけは挿絵でしっかり抑えてあるのが流石です(131頁、293頁参照)


そして、その華やかさの恩恵を一手に受けてしまうのが残念ながら佐藤。くそっ
毎回、天国だけじゃなく地獄も見る佐藤だけど、今回は今までになく天国の比率が高い。見開き口絵の人物紹介を見てこれはひどいと思ったが、中身を読んだら納得した。うん、これは万死に値するな。
いつものメンバーはもちろんのこと、ロリっ娘には懐かれ、ノーブラのお姉さんにも気に入られ、先輩の友人たちには弄られと、羨ましいことこの上ない。それでもビッグ・マムにも気に入られたままなら、まだ溜飲も下がったというのに、それすらもあんな汚い手で回避するとは・・・もう爆発しろよ!!



そんな佐藤に嫉妬する6巻は、5.5巻の丸富高校文化祭に続き今度は烏田高校の文化祭。
2巻連続で文化祭という学園ラブコメでも拝めない暴挙にでた冒険をした作者に感嘆しつつ中を覗いてみれば、そこは相も変わらずネタとツッコミどころの宝庫だった。
相変わらずの地の文に、いつものようにセガネタにジャンプネタ。今回は石岡君がほとんど出てこなかったのが残念だったが、内本君と霧島君が頑張ってしまった残念な友人ネタと笑いどころが充実。中でもDBネタが秀逸だった。著莪のフリは天才的www
また、文化祭効果か食べ物の描写も増量。文化祭の出し物もあるが、文化祭の準備段階で先輩が獲ってくる弁当の数々の美味しそうなことといったら。ああ、ジジ様のサバ味噌焼き弁当食べたい。(ちなみに今回の私のお供はチキンラーメンでした)
忘れちゃいけないのが半額弁当争奪戦。残念ながら回数は少なめだが、無意識に王者の背中を追う佐藤の向上心と姉妹愛が感じられるラストバトルは必見。ナイトたらんとする佐藤が悔しいがかっこいい。ここだけは認めざるを得ない。


熱さは若干控えめだったが、その分他に楽しめるところがいくつもあり、今回もめちゃくちゃ笑った。面白かった。


あっそうそう、我らが白粉先生は小出し小出しでちょこちょこと活躍されておられました。ただ、文化祭の一番の楽しみであった先生脚本による演劇が、触りしか読めなかったのが残念でなりません。あそこからどうやってハッピーエンドに持っていくのかを考えると夜も眠れません(なぜか尻がもぞもぞしてw