いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ゴールデンタイム2 答えはYES」竹宮ゆゆこ(電撃文庫)

ゴールデンタイム2 答えはYES (電撃文庫)
ゴールデンタイム2 答えはYES (電撃文庫)

圧倒的なオーラを放ち、自称完璧、その実ちょっと残念なお嬢さま、加賀香子。彼女は独自のシナリオによって定められし幼馴染との運命の結婚が破綻してちょっと傷
心気味。
一方、サークルの先輩、リンダは面倒見のよい気さくでいい人かと思ったら、実は万里の高校の同級生で、しかもどうやら浅からぬ仲だったようで、その事実をひた隠
しにしていた。
記憶喪失男、多田万里の心はそんな二人の狭間に立たされて千々に乱れる。サークル活動や、コンパを経るうち、その心の距離は離れ、また近づいていく。
万里が二人に向けた問いかけの、その答えとははたして──?


予想以上にガッツリメロドラマではないですか。
地の文や飲みの場では隠し切れないゆゆこ節が滲み出ているが、九割はそれぞれの想いのすれ違いにすれ違う切ないラブストーリー。
特に主人公の万里に感情移入してしまうときつい。辛い。バランスボール多方面からの攻撃を受け流しているような危うさ。
これは無駄にハイテンションになったり酒の勢いを借りたりしなきゃやってられないよ。それに八つ当たりも。万里があの一言を言った時には一瞬カチンと来たが、その直後の「お互いさまか」の一言の重さに即冷静になった。というか沈んだ。
で、ようやくサブタイトルなラストを迎えるわけだが。
これはちょっとは救われたか? でもこの先がもっと大変そうだなとか想いを巡らせていたら、このオチかい!www 流石はゆゆこ先生やw
次はラブラブ・・・って訳にはいかないよね、やっぱり。リンダの動きに注目。