いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ハロー、ジーニアス (2)」優木カズヒロ(電撃文庫)

ハロー、ジーニアス〈2〉 (電撃文庫)
ハロー、ジーニアス〈2〉 (電撃文庫)

怒涛のゴールデンウィークが過ぎ去り、第二科学部に腰を落ち着けた高行は、部長であり、生まれながらに常識外れの頭脳を持った天才──“ジーニアス”の海竜王寺八葉、そして同じく入部した有屋美月と騒がしい日々を送っていた。
 しかしある日、第二科学部が居を構える『部室長屋』に学園都市運営機構の息がかかった『統括委員会』が現れ、長屋の取り壊しと退去を一方的に通告してくる。高行たち三人は個性豊かな長屋住人たちと協力して抵抗運動を起こすが、委員会側は何やら卑劣な策を巡らし……?


力いっぱい青春してるなー。こういうのを読むのは気持ちが良い。
恋愛よりも友情メイン。規模はそれほどでもないけど、やってることは一種の学生運動。どこか古き良き昭和の青春ドラマを思わせるテイストが清々しい。
特に1巻ではなかなかの難物だった八葉の軟化が著しい。他人とは距離を置いていた八葉が、高行だけでなく有屋や部室長屋の面々と交流したり、自分と彼らのために一生懸命になったりする姿に、確かな成長を感じられる。
ただこれ、近未来の話なんだよね。昭和テイストって誉め言葉なのか嫌味なのか微妙なラインだなあと。
残念ながら、近未来と天才の設定がほぼ無意味なのは2巻になっても改善されず。彩りにもスパイスにもなっていないので、これだとその説明がただ邪魔なだけ。
概ね面白かった。これで諸設定がストーリーに生かされてくれば文句なしなんだが。