いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「半熟作家と“文学少女”な編集者」野村美月(ファミ通文庫)

半熟作家と“文学少女”な編集者 (ファミ通文庫)
半熟作家と“文学少女”な編集者 (ファミ通文庫)

新しい担当編集の天野遠子嬢は、清楚な美人だった。――が、いきなり本棚の前でグルメ批評を始めるわ、ほんわか笑顔で容赦なく原稿修正を指示してくるわ、売れっ子高校生作家たるオレが、どうしてこうも振り回される!? そんな時届いた脅迫状じみたファンレター。そこにはまだ刊行される前の小説の内容が書かれて……って差出人は、まさか!? 半熟作家・雀宮快斗とその担当編集者遠子が織りなす、物語や文学を食べちゃうくらい愛する"文学少女"の、最後の物語。


あいたたた(苦笑)ってのが第一印象なのよね、最終巻なのに。
躾が出来ていないやんちゃな子犬を、遠子お姉さんが掌の上で遊ばせている感じ。遊ばせてる本人は100%自覚が無いけどw
自意識過剰で中二病が抜け切っていない高校生作家・快斗に苦笑しつつ、大人になってもいい意味でも悪い意味でも変わっていない遠子を微笑ましく思い(失笑含む)、時々垣間見える心葉との順調な関係にニヤニヤ。
こうしてみると、この最終巻は終始笑っていられたんだなあ。
いやいや、凄いわ半熟作家。“文学少女”の代名詞「愛憎」を吹き飛ばしてコメディにしてしまったんだもの。
涙の色が濃かった本編のラストを塗り替える、完全無欠の笑顔でのシリーズラスト。いくつもの涙で彩られてきた作品が最後の最後は笑顔で締めくくられるというのは、感慨深い思いと共に想像以上の安堵感をもたらしてくれた。やっぱりハッピーエンド、笑顔のラストはいいものだ。
遠子さん、お幸せに!




短編連作形式なので一応各話毎に一言


半熟作家と“文学少女”な編集者
内容:半熟作家宅に脅迫状が!?
ダメだこいつら、早くn(ry 残念な半熟作家に苦笑していたら、それを上回る人が出てくるとは。
そんなことより遠子さんですよ。誉めて伸ばすタイプの編集者なのね。そういえば心葉と弟以外に叱ってるところは見たことない。いまや叱られるのは心葉の特権になってるんだろうなぁ。



半熟作家とスキャンダラスな淑女
内容:敏腕?編集者をかけて、半熟作家二人の熱いバトル!
さすが遠子さん、色恋沙汰で勘違いさせたら右に出るものはいないなw
ここで初めて見える心葉の影。「一応」って言った時の遠子さんの可愛さにニヤニヤが止まらない。



半熟作家と空騒ぎな学友達
内容:半熟作家、久しぶりに学校へ。
卓球なめんなっ!
二十代後半でも制服を着こなしてしまう遠子さんマジパネェっす。さすがのぺty(ty
某ルート=麻貴さんは制服の代金に何を要求したんでしょうねぇ。



半熟作家とページを捲る“文学少女”
内容:半熟作家、失恋して逃げ出す。
フルボッコじゃないですか。佐々木さん→遠子のコンボは流石に同情した。
そしてまさかまさかの見習いエンド。
出てきた本人の口調は前のままだったけど、快斗のイメージの中の彼女はそんな雰囲気が全然なかったから思いもしなかった。妄想少年の色眼鏡って怖いわー。


ん?
そうすると「学友達」冒頭の手紙は誰のことを言ってるんだろう。
一番仲のいい冬柴は相当時間が掛かりそうだった。美羽は友達って関係じゃない。それに心葉も幹事をするとなると、答えは彼女しか・・・うわーん。・゚・(つД`)・゚・。
酒だ! 酒持ってこーい(祝杯半分ヤケ酒半分)