いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「銀の河のガーディアン3」三浦良(富士見ファンタジア文庫)

銀の河のガーディアン3 (富士見ファンタジア文庫)
銀の河のガーディアン3 (富士見ファンタジア文庫)

「用件はわかっている。大会議に出たいのであろう」
銀河を総べる皇帝。その進退を決める大会議の場が襲撃されるという噂を聞きつけた皇女ラリエナとセーヤは、会議に参加するため皇帝と接見する。久方ぶりに親子の再会を果たすが、形式張った話に終始し、会議の参加を許されるも、不安になったラリエナは相棒に呟く。「わたし、母親が皇帝じゃなくなっても、あの人の娘でいられるかな」「君があの人に相応しくないなんて言う人がいるなら、僕がそれを吹き飛ばしてみせる」
希代(間近)の魔術師コンビに立ち塞がる、最大、最凶の敵。暗雲立ちこめる、銀河の闇を晴らすことが出来るのか!?


え? こんな盛り上がってきたところで一区切り?
一つの大きな事件は解決したものの、貴族の中に不穏分子が出てきたり、ラリエナの実の兄やセーヤと瓜二つの謎の少女という明らかに物語の根源に関わりそうな新キャラが出てきたりと、次への繋ぎという面が大きい話だったのに。
そもそもこの巻単体では、この作品、この作者の肝である戦略知略が薄いので少々物足りない。セーヤが皇帝の狙いを読み解くところでその片鱗は見せたものの、知略の代名詞のカン艦長は出番が少ないし、ラストバトルはコンビの成長を見守る熱さ重視の戦闘だったし。
その二人の関係についても、お互いに少しだけ心を開いて絆が強くなって、これから先の困難に立ち向かう準備が出来たという感じだったのに。
これだけ次への準備をして、先の盛り上がりを約束したような段階で一区切りってのはどうにも納得がいかない。
次は新シリーズの戦記物だそうで。
新シリーズ合間、最悪でも新シリーズ終わった後に続き出ますよね?