いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「デート・ア・ライブ2 四糸乃パペット」橘公司(富士見ファンタジア文庫)

デート・ア・ライブ(2)四糸乃パペット (富士見ファンタジア文庫)
デート・ア・ライブ2  四糸乃パペット (富士見ファンタジア文庫 た 4-2-2)

高校に転校してきた十香は、クラスメイトの折紙と毎日のように喧嘩をしていた。そのたび二人を止めに入る五河士道じゃ、下校中、第2の精霊と出会う。少女は降りしきる雨の中、傘も差さず、左手にウサギ型の人形を付け、道路を楽しそうに飛び跳ね――盛大にコケた。助け起こそうとした士道に少女は怯えた様子で言う。
「いたく、しないで……ください……」
世界から否定され、拒絶され、殺意を突き付けられても、なお相手を気付点けないように耐える優しすぎる精霊、四糸乃。
「手伝ってくれ、琴里。……おれは――あの子を、助けたい……!」
世界を殺す少女を止めるため、デートして、デレさせろ!?


三角関係に同棲イベント、出だしからラブコメモード全開だ! と思ったのだけど、イマイチ盛り上がらない。
三角関係の描写は短かいし、折角一つ屋根の下なのにこれはない。こういうお約束イベントはハプニングだからこそ面白いのであって、用意されたものなんて興ざめだから。それでもまあ、やりすぎな主人公弄りが少なくなったのは良かったか。
もう一つの主題である精霊と心を通わせること、気弱幼女精霊との交流は良かった。
まずは、庇護欲掻き立てまくりな四糸乃のキャラがいい。気弱でパペットなしではほとんど喋れない四糸乃が、士道の頑張りでちょっとずつ口数が増えていく姿はかなり可愛い。
後半はそんな彼女を助けるべく、自分の危険を顧みず突っ走る士道の男気と、それに応える十香という展開が熱い。
それに加えて、物語の核が見え始めてきた。
士道や琴里の秘密を匂わせたり、エピローグで出てきた士道と関わりの深そうな新キャラと伏線目白押し。
ブコメは低調だったけど、他の部分は問題なく楽しめた。
次もこっちか。カルマ8巻が早く読みたいなぁ・・・