いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔弾の王と戦姫2」川口士(MF文庫J)

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉2 (MF文庫J)
魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉2 (MF文庫 J か 11-2)

テナルディエの軍勢を退け、つかのまの平穏を得たティグルたち。避けられなくなった戦いに向け、ティグルは仲間になってくれる貴族を探して動き出す。一方、国王への説明のためジスタート王都に赴いたエレンは、七戦姫の一柱にして腐れ縁の天敵、“凍漣の雪姫”リュドミラと遭遇する。険悪な応酬のはて、その場は別れる二人だったが、ティグルに興味を持ったリュドミラがライトメリッツを訪れ、状況は一変する。「ジスタートが誇る戦姫の一人。『破邪の穿角』が主、リュドミラ=ルリエよ」「帰れ」 しかも、彼女はテナルディエと交友関係があるらしく……!? 戦姫対戦姫、人智を超えた戦いが今幕をあける! 話題沸騰の美少女バトルファンジー、待望の第2弾!


↑このシリーズ、美少女バトルファンジーだったのか。知らなかったなあ(苦笑
確かに女の子は多く出てくるけど、美少女同士のバトルは今回が初めてでしかも一瞬、あらすじ詐欺乙としかいいようが。そもそも本質はそこじゃない。
国の情勢に政治的駆け引き、果ては戦争にかかる金銭面までしっかりと描写されていて、主人公・ティグルの置かれている状況の厳しさが分かるから緊張感もあるし、戦記物としての読み応えもある。
それになんと言っても戦術重視戦争シーンが面白い。しかも今回は規模はそこそこながら2回も。なんという俺得。
キャラ小説としては表紙の新キャラ戦姫リュドミラの回、と思いきやリムの方が目立ってたような。相変わらずぬいぐるみのことになった時のギャップは反則級だし、時々見せる本人が気付かずに誤魔化している本心にニヤニヤ。
ただこの娘の場合、相手がエレンだと引いちゃうから、侍女ティッタにもうちょっと頑張って貰いたいのだが。
ちなみにリュドミラは・・・残り数十ページで戦姫をデレさせるティグルさんマジぱねーっすw も一つちなみにメインヒロインのエレンさんは終始ヤキモチ役でした。うん、これはこれでありだな。
2巻も文句なしで面白かった。女の子たちとのラブコメ的展開もありつつ、戦乱の時代を読むファンタジー戦記ものとしても楽しめるのがこの作品の魅力。
次はかなり大きな戦争になりそうな感じの終わり方。今回は小中規模の戦争だったので、大規模戦闘の描写が楽しみ。