いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「夜のちょうちょと同居計画!2」菱田愛日(電撃文庫)

夜のちょうちょと同居計画! 2 (電撃文庫 ひ 8-2)
夜のちょうちょと同居計画! 2 (電撃文庫 ひ 8-2)

学生が職業を持つ自立都市で、キャバクラのボーイに割り振られた高1の奈斗(ナイト)は、お嬢様なクラスメイト瑠花、ふわふわ美少女真琴、ミステリアスな彩香の3人の担当キャバ嬢と同居生活を送っている。仕事にも慣れたある日、他店と売り上げの競争をする新人戦がスタートする。頑張って指名を取る!と意気込む瑠花を応援する奈斗だったが!?
 こんなのはじめて 学園キャバクラブコメ第2弾!


1巻も悪くなかったけど2巻で化けた。素直に感動できる素晴らしい青春小説。
1巻からラブコメというよりは、仕事を通じて成長する少年少女の話ではあったものの、どうしてもキャバクラという色物設定の方に目が行った1巻に対し、設定に慣れたのと、舞台説明が少なくなった分キャラクターの心理描写が細かくなったのが良かったのかも。
中でも心が揺さぶられたのが今回メインの真琴。ぶりっ子で小悪魔な彼女の予想以上の責任感の強さと、女の子らしい素の一面を見せた後の、泣きラッシュが卑怯。小悪魔な印象のままだったら何も感じなかったのに、あんなにいい子な面ばかり見せられた後に泣かれたら、うるっと来ちゃうって。
また、他店との新人対抗戦というもあり、チーム内の不和や挫折、奇策に逆転劇とスポ根的要素が“青春”の二文字に拍車をかけている。それに、どん底の時に4人がそれぞれに不器用でも一生懸命なのが十二分に伝わってくるから、悔し涙も嬉し涙も胸を打つ。
何気なしに読み始めたのに、いつの間にか引き込まれ感情移入していた。一気に今後が楽しみなシリーズになった。
次は順番でいくと彩香の番かな。ここまで出番が少ない彼女なだけに内心何を考えているのか興味津々。それに彩香の気遣いとバランス感覚でなんとかまとまってる4人が、彼女に何かあった時どうなるかも見物。