いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「三井澄花と四角い悪魔」高遠豹介(電撃文庫)

三井澄花と四角い悪魔 (電撃文庫)
三井澄花と四角い悪魔 (電撃文庫)

「絶対に返します。返しますから……」
職ナシ金ナシ彼女ナシ、菱見勇司にあるのは借金1000万円! 多額の借金を返す当てもなく、困り果てる勇司の前に突如現れたのは「三井澄花」と名乗る謎の美女だった。
彼女は勇司の借金をサクッと立て替え、「私の下で働きなさい」と言う。訳がわからないままトントン拍子に話は進んでいく。何故か美人の下で働きながら借金を返すことになった勇司は、仕事に就けたこともあり喜んでいたのだが……。その職業とはカード会社の“借金取り立て”だった──!?
厳しくも優しい(?)美人上司に学ぶ借金返済・オフィス系ラブコメ登場!


ぬるい。
本当の取り立てはする側もされる側もこんなもんじゃないはず、とかそういう話ではなくて(そんな話書いたらドン引きだろうし)
主人公の苦労がぬるい。職業ものは苦労譚でないと共感できないし、話も盛り上がらないのに。
それでなくても金持ち美女に拾われ、美少女債務者に好かれる羨ましすぎる展開なんだから、それに見合った苦労はしてくれないと主人公を好きになれる要素がない。
職業ものらしくクレジットカードの仕組みを噛み砕いて説明しているところや主人公を諭す2人の先輩の言葉など、ためになる点はいくつかあるけど、それはストーリーが面白くなるかとは別問題だしねえ。
そもそも漫才のようなマシンガントークが面白い作者なのに、真面目な話では活かされない。
これを書くなら「ぷれいぶっ!」の続きを書いてくれよ!というのが一番の感想。