いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ハロー、ジーニアス (3)」優木カズヒロ(電撃文庫)

ハロー、ジーニアス〈3〉 (電撃文庫)
ハロー、ジーニアス〈3〉 (電撃文庫)

まもなく期末テストを迎える第三学園都市。もちろん第二科学部の面々も他人ごとではなく(主だって成績が思わしくない有屋のために)テスト対策のために勉強会が開かれることに。だが、そこで高行は“ジーニアス”海竜王寺八葉の体調が思わしくないことに気づく。
八葉の身体を心配しながら日々を過ごす中、学園に新たな“ジーニアス”クリストファー・オランドがやってくる。生体工学の“特化領域(ブランチ)”を持つ彼は「八葉を治療するために海外に連れて行く」と告げるのだが……それを聞いた高行は、果たして!?
天才と過ごす青春ストーリー、第3弾!


うわー、ベタだ。だがそれがいい
近未来が舞台なのに昭和の香りがする青春ストーリー第3弾は、王道一直線な青春ラブストーリー。
友情の色が強かったシリーズに、ついに恋愛要素が。
高行と八葉、二人とも自分の道に迷いもがいている様子に青春を、初々しくも初めのころのような堅苦しさのとれた様子に甘酸っぱさを感じられる。
でも、そんな二人よりも有屋が良かった。
高行には八葉しか見えていないのが分かっているのに、自分に出来ることを一生懸命やりきる有屋の姿が眩しい。思えば1巻から損な役回りばかり背負わされてきた不憫なキャラだったけれど、最後は一番輝いていた。
綺麗にまとまったラブストーリーで、スッと入ってくる感じで読みやすく面白かった。それにしても、結局最後まで“近未来”と“天才”は要らない子だったなあ(^^;
あとがきに「新しい物語を〜」とあるからこれで終わりかな? 86年生まれとは思えない作者のセンスが好きなので次回作も追いかけたい。