いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「嘘つき天使は死にました!」葉巡明治(スーパーダッシュ文庫)

嘘つき天使は死にました! (嘘つき天使は死にました! シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)
嘘つき天使は死にました! (集英社スーパーダッシュ文庫 は 5-1)

熊を素手で倒せるらしい小説家志望のネガティブな青年、中羽織 夏彦(なかばおり なつひこ)。
ある日、道を行く夏彦の前に、一人の可愛らしい女の子天使がすごい速度で降ってきた。天使は夏彦に用があるらしく、どれだけ夏彦が彼女を拒絶しようとも、絡んでくるのをやめようとしない。そこでついに根負けした夏彦は、「何故俺につきまとうのか」という内容の質問を、彼女に送りつけた。
「キミは死にますよ」
そんな回答だった。彼女の話によると、夏彦は近々死ぬ運命にあるらしい。そこで天使である彼女は、使命感をもってして、夏彦をその『死の運命』から救助したい、というのだった。第10回スーパーダッシュ小説新人賞特別賞を史上最年少(18歳)で受賞した俊英のデビュー作!!


空から天使が降ってくるというベタなオープニングで始まる物語は、天からの刺客を撃退しながら、死ぬこと生きることを考える泣けるストーリー。
のはずなんだけど……
ダメだこいつら、早く何とかしないと(AA略
キャラクターが残念を通り越して猟奇的と言って問題ないほどぶっ飛んでいる。
凡人の皮を被った変人の主人公に(覗き方法が斬新すぎて吹いたw)、その主人公が好きすぎて暴走する幼馴染みと“男の”先輩、ストーカーがこじれて犯罪に片足どころか両足突っ込んでるお嬢さまと、嘘をよくつき欲望に弱い天使が一番まともに映るという豪華?メンバー。そういえば残念なイケメンもいたような……その程度の個性じゃ目立たないだよね。
そんな濃すぎるキャラクターたちで中盤までやりたい放題やっていながら、最後だけは綺麗に泣けるストーリーにまとまっているのがにくい。でも、こいつらで感動させられると負けた気分になるなw
文章に大きなクセもなくて読みやすく、ストーリーとキャラのギャップが面白い話だった。続刊決定済み?