いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「不完全神性機関イリス 154cmの最終兵器」細音啓(富士見ファンタジア文庫)

不完全神性機関イリス 154cmの最終兵器 (富士見ファンタジア文庫)
不完全神性機関イリス  154cmの最終兵器 (富士見ファンタジア文庫)

世界の四分の三が死んだ世界――。
宝条軍学校の傭兵科に通う貧乏学生である俺・凪は、機械工学科への転科に悩む機械マニアだ。ある日、俺は廃材の山の中から少女の姿をした家政婦ロボを発見し、早速家で修理することに。
「おはようございます凪」――そう言って目覚めた彼女・イリスは、家政婦ロボのくせに家事も何一つできないダメ家政婦で、しかもその正体は軍事用の人型機械体!? 嘘だろ!?
――トラブルだらけの同居生活&大暴走な学園生活。そして迫り来る正体不明の侵入者『幽玄種』――。人類の最終兵器『神性機関』として覚醒したイリスに、世界の命運が委ねられる!!

氷結鏡界のエデン』ではシェルティスの漫才の相方でお馴染みのイリスが主人公のファンタジー。紗砂やツェリと出会っていないので、恐らくユミィが見た過去より少し前の出来事。



世界観は同じでも内容は完全にラブコメ
主人公に拾われるイリスと、主人公に助けてもらったというわかりやすい過去を持つ家事万能な後輩・シィ、ツンデレ委員長風味なミカエルに、超絶朴念仁主人公というベタなキャラ配置。また、主人公・凪の一人称で書かれていて地の文が砕けているので、これまでの二作とはかなり雰囲気が違う。黄昏色、氷結鏡界と段々とコメディ化が進んでいるけど、作者はコメディの方が好きなのかな?
読みどころとしては、『氷結鏡界のエデン』よりもさらにぶっ飛んでいるイリスのボケっぷり。ダメだこのメイド、早くスクラップにしないとw ラブの方は個人的には後輩のシィが一押し……なんだけど、展開次第では次以降出番がぐっと減りそうなんだよなあ。
普通に面白かった。ただ、ラブコメにしてはやや華が足りない感じがするので『氷結鏡界のエデン』との繋がりに期待したい。ラストで一先ず役者は揃ったので、三人の出会いが楽しみ。