いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「カンピオーネ! XI ふたつめの物語」丈月城(スーパーダッシュ文庫)

カンピオーネ! 11 ふたつめの物語 (カンピオーネ! シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)
カンピオーネ! 11 ふたつめの物語 (カンピオーネ! シリーズ)

草薙護堂は友であった軍神・ウルスラグナと相打ちとなり、神殺しの魔王・カンピオーネへと生まれ変わった。
かの神を殺す際、護堂に利用された神王・メルカルトは新たに誕生した王を次なる敵と定める。
さらにはイタリアの剣の王サルバトーレ・ドニも護堂に興味を示し、護堂との戦いを求めるが、それは彼の配下の魔術結社に所属するエリカの、護堂との別れを意味していた…!
魔王となったばかりの護堂の物語がついに明かされる!

3巻の続き。護堂がカンピオーネになった直後、『カンピオーネ!』二番目の物語。



もうね、エリカが可愛くって可愛くって。
現在の護堂の隣をしっかりキープしながら他の女の子を上手くあしらっている姿からは想像できない、初々しいエリカの様子にニヤニヤが止まらない。前半は本編では見られない恥じらう姿が新鮮で、後半は段々と護堂に惹かれて恋に落ちていく過程が可愛らしい。中でも《赤銅黒十字》と決別して護堂の元に行くと決断したシーンは、あの計算高いエリカが100%感情で動いていて、想いの深さや情熱が感じられてシリーズ通しても一二を争う好きなシーン。
しかし、同衾やキスを嫌がる姿が新鮮というのは、ライトノベルとして間違っているような気もするが気にしないことにしようw
一方の護堂は……この頃から全く成長してないなw 延々と煮え切らない態度をとっておきながら、キスの時だけキリッとするのは初めからだったのか。このすけこましめ。
また今回は、アクションのも良かった。メルカトル戦は『剣』が主役の薀蓄メインの戦闘で間が悪くて残念な感じだったが、ドニ戦は文句なしで面白い。自らの権能についてまだ手探り状態の護堂が、常にギリギリの状態で頭をフル回転させて戦う姿に燃える。
可愛いエリカを堪能できてアクションも面白い大満足な回だった。