いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ライジン×ライジン RISING×RYDEEN」初美陽一(富士見ファンタジア文庫)

ライジン×ライジン RISING×RYDEEN (富士見ファンタジア文庫)
ライジン×ライジン  RISING×RYDEEN (富士見ファンタジア文庫)

「ふっ……見せてやるぜ。風よ、吹き荒れろっ!!」
「――で、これかい? 君の『異能』というのは……」
下野根隆良。16歳♂。『異能』を持つストレンジャーに憧れ続けていた彼が、アリアと名乗る謎の爆乳美女に導かれて手に入れた能力は……最低ランクの『残念異能』だった!?
そんな隆良が通う学校に、『最強異能』の金髪少女・雷轟魅神が転校してくる。彼女は言い放つ。「アナタは私の下僕です。拒否権はありません」「――ふ、ふざけんなよっ!」。
第23回ファンタジア文庫大賞「大賞」+「読者賞」W受賞作品は、残念異能VS最強異能!? 当代無双の異能バトルアクション(?)!!

残念なヒーローが送る脱力系ドタバタラブコメディ。



主人公の常時ハイテンションについていけなかったのと笑いのセンスが合わなかったので、あまり楽しめなかった。そして疲れた。
笑いの要素が基本的に下ネタと人の失敗を笑うことしかないのがちょっとなあ。下ネタは初めのうちは笑えるのだけど、主人公の異能のせいで白濁液ネタ一辺倒なのですぐに飽きてしまう。後者も中二病をネタにした笑いばかりで、後半は痛さしか残らない。
あと、主人公がやたらモテるのだがフラグがどこにあったのか分からない。
幼馴染みは問題ないが下級生二人、特に夜侘は出会いの印象が最悪だったのに、なんでいつの間にか主人公ラブになってるんだろう。スキンシップ過多なアリアの好意も謎だし。主人公がなぜ好かれているのか分からないのはもやもやする。
数年に一回しか出ないファンタジア大賞の大賞の肩書きに期待しすぎた面はあったかも。
でも、好みの問題は別にしてファンタジア大賞がこの作品に大賞を出すのには違和感がある。完成度は高いので銀賞や読者賞のみなら納得なんだけど。



GA文庫大賞奨励賞の人だったのか。あとがき読むまで気付かなかった。
これが大賞でGAは奨励賞だけどGAの『優等生以上、フリョー未満な俺ら』の方がまだ面白かった。