いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「フルメタル・パニック! アナザー3」大黒尚人(富士見ファンタジア文庫)

フルメタル・パニック! アナザー3 (富士見ファンタジア文庫)
フルメタル・パニック! アナザー3 (富士見ファンタジア文庫)

蒼い第三世代型AS〈ブレイズ・レイブン〉を操り、素人同然にもかかわらず、テロリストを撃退した市之瀬達哉。そんな彼のASオペレータとしての才能を目の当たりにし、アデリーナは様々な思いが交錯する。それは全てを失い、ASオペレータに人生を賭けてきた彼女の根幹を揺るがすほどのものであった。
そんな不穏な空気の二人を余所に、以前仕事で達哉に一泡吹かされたアラブの王子様・ユースフがまさかの襲来! 決闘を申し込んできた! さらに、AS−1〈ブレイズ・レイブン〉のパイロットを巡り、試練をすることになるのだが、果たして――!?
電光石火のSFミリタリーアクション、全力加速!


王子再登場、文化祭、達哉vsリーナと盛り沢山な3巻。
意外とお茶目かつ万能な王子に……を差し置いて、ついてきたメイドさんのキャラの濃さに目が行く。親父は普通にいい人なのになんでこんなに“いい性格”に育ってしまったんだろうねw
いやまあ王子もなかなかいいキャラだったけど。ツンデレだったし。但し最後のあれはいただけない。ハッサン親子は十分に言い聞かせておいてください。
その後は文化祭編へ。
って、なんでコーヒー薀蓄になってるの? いや薀蓄小説大好物だからいいけど。
妹のクラスの喫茶店では遊び倒していたのに、達哉のクラスの劇は一瞬なのが不満。これじゃ準備中に語っていた楓の想いが報われないよ。
そして迎えた達哉vsリーナ。
2巻の終わりから溜めこんでいたリーナの感情が爆発し、そのリーナの様子に戸惑いとショックを受けつつ相対する達哉。戦いの激しさとは裏腹に不器用なリーナと鈍い達哉にもどかしさを感じるが、終わった後の爽やかさ+甘さで帳消し。
ただこれもASvsASの戦闘としてみると、1,2巻に比べると内容が薄くASでやる必然性を感じない。別に生身で殴り合っても良かったような。リーナ女の子だけど。
そんなわけで基本的には面白かったのだけど、全体的にバランスが悪い感じはする。これだけイベントがあったのだから+50〜60ページくらいはあっても良かったのでなかろうか。