いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「三匹のおっさん ふたたび」有川浩(文藝春秋)

三匹のおっさん ふたたび
三匹のおっさん ふたたび

ご近所の悪を斬る還暦三匹が帰ってきた!
武闘派のキヨとシゲ、頭脳派のノリ。“三匹のおっさん”が万引き、不法投棄など地域の問題に立ち上がる! 痛快活劇小説第2弾


地域の事件や小さな問題を三匹が斬る、痛快ご町内活劇第二弾。
今回は三匹の活躍だけでなく彼らの家族の話もあって、色々な視点で楽しめる。
クローズアップされたのは親世代。(三匹=じじい世代、祐希&早苗=子世代)
祐希の母・貴子の話はひやひやしながらもダメ母の成長と早苗のいい子ぶりににんまり。重雄の息子・康生の話は、作中の「立花家は息子の方が人間が出来てる」を実感し、うんうんと頷きながら読む感じ。
一方で祐希と早苗の若者カップルは特に大きなイベントはなかった。時に喧嘩したり、一緒の大学を目指したりと順調そうなのは何よりだけど、もう少し何かあるかなと思っていただけに残念。
また、前作よりも世間一般のモラルを問うという傾向にあったので考えさせられることも多かった。
「いるいるこういう自分本位で常識がない人」という人がどの話にも出て来て、イライラすることもしばしば。まあそれを切ってくれるから面白いんだけど。書店の話の母親とかもうね。ああいう人間は何年かぶち込めないのかね。


最後のおまけは誰?と思ったら前作の第五話で問題を起こした女の子か。
この作品のテーマにそった人の醜さが見えつつ有川さんらしい甘さもありつつな短編。
って誰か出てきたー。小学生時代でこんな扱いって、そこまでイケメンだったのか。爆h(ry
時系列を考えると『三匹のおっさん』は『植物図鑑』より10年くらい過去の話なのね。


続きは出るのかな? 出て欲しいな、祐希&早苗成分多めで。