いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「南極点のピアピア動画」野尻抱介(ハヤカワ文庫JA)

南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)
南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)

日本の次期月探査計画に関わっていた大学院生・蓮見省一の夢は、彗星が月面に衝突した瞬間に潰え、恋人の奈美までが彼のもとを去った。
省一はただ、奈美への愛をボーカロイドの小隅レイに歌わせ、ピアピア動画にアップロードするしかなかった。
しかし、月からの放出物が地球に双極ジェットを形成することが判明、ピアピア技術部による“宇宙男プロジェクト”が開始される――
ネットと宇宙開発の未来を描く4篇収録の連作集


ニコニコ動画vocaloidニコニコ技術部なSF。
宇宙への有人飛行や軌道エレベータ、やっていることは凄いのに発想の原点ややってる人たちの言動がバカっぽいというか脱力系というか。こういうノリの良さ好きだわ。
また、前の2話は恋愛絡みでニヤニヤポイントが多いもの甘いもの好きとしては嬉しいところ。
と3話目の途中までは楽しく読めていたのだけど、地球外生命体の登場と共に雲行きが……。
SFだから宇宙人が出てくることには何の抵抗もないが、世間の反応がどう考えてもおかしい。この程度の問題だけで済むはずがない。そこまでは技術的な話や資金集めなど、SFであってもそれなりのリアリティを感じていたのに、ここで一気にリアリティがなくなって冷めてしまった。
そんなわけで前6割は面白かった。後半4割は微妙。