六花の勇者 2 (六花の勇者シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)
「七人目」だったナッシェタニアは去ったが、ロロニアという少女が現れ、またもや七人になってしまった六花の勇者たち。魔神再起までのタイムリミットが迫っており、疑心暗鬼はぬぐえないまま、魔哭領の奥へと進む。するとそこへ一体の凶魔が現れ、モーラに「君には時間がない」と告げる。さらに凶魔を束ねる統率者の一体、テグネウが六花の勇者の前に突如現れる。それは「七人目」の関わる策略なのか！？ 混乱の中で激闘が始まる！
伝説に挑み、謎と戦う、圧倒的ファンタジー、第２幕！
衝撃のオープニングから始まるファンタジー＋ミステリの傑作『六花の勇者』２巻は、敵将・テグネウとの知略勝負。
誰が偽物を探る１巻と違い、初めから七人目が誰なのか分かっていて、その七人目を含む勇者たちをテグネブが如何にして騙すのかが焦点。
１巻の要素に目に見える敵をプラスしてきたか。
味方の裏切りに気を配りつつの凶魔との戦闘で勇者たちは本来の力を発揮できず、敵を一旦退けても味方同士での思惑や愛情が絡んだ言い合いが展開されと、１巻以上の緊迫感で一息つく暇がない。
その上、次第に追い込まれていく「七人目」の焦燥感、回り道しているように思えるアドレットの行動など全てがテグネブの掌の上で転がされているような展開で、ヤキモキ感も半端じゃない。
でもその先に待っているのは「七人目」のまさかの一手とアドレットの解答編。考えに考え抜かれた逆転の一手と、謎が一本の線でつながる気持ちよさのダブルの爽快感。緊張とモヤモヤが一気に晴れて素晴らしい読後感を味わえた。
２巻も文句なしで面白かった。ミステリ部分の頭を使わされる感じは大好きだし、色々な感情がぶつかる人を語るファンタジーとしても読み応え十分。
七人目は敵じゃない説はあっさり否定され、第三勢力まで出て来て次はどうなる？
