いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「パンツブレイカーG」神尾丈治(一迅社文庫)

パンツブレイカーG (一迅社文庫)
パンツブレイカーG (一迅社文庫)

影那を狙った敵対組織の襲撃を“パンツブレイカ―”の秘められた力を解放し阻止した正幸。学園に平穏を取り戻したかに思えたが、正幸に敵意を剥き出しにする少女・野田雨音が現れる。そんなおり、“パンツブレイカ―”の研究のため、影那が南の島での実験を兼ねた旅行に誘ってきて……。ノーパン異能学園ラブコメまさかの第2弾!


まさかの続刊。
どう考えてもバカエロ小説だろと思わせるタイトルからは想像できない重さのあった1巻に比べると、かなりタイトルの印象に近づいた感じがする。舞台の大部分は南の島でなんだかんだでハーレム状態、主人公の暗い過去の描写も減って全体的な雰囲気は明るくなった。
開き直ってブレない主人公に、脱ぐことを躊躇わない影那や妹のおかげでエロさは全然ないが、その分とんでもないシチュエーション+無駄に冷静に反応がシュールで面白い。
やっぱ主人公・正幸がいい。残念なところというと中二きめポーズとテンパりやすさくらいなもので、人に対する誠実さや他人の悪意に晒されてきたからできる冷静な判断、ここぞでの熱いハート。能力さえあれじゃなければオレツエー小説になってそうな主人公で、おバカな題材なのに読んでいて清々しい。
ただ、今回はラブコメ方面は残念だった。登場人物紹介にヒロインって紹介されている人が最も影が薄かったり、もう一人は最後デレそうだったのにオチに使われてしまったりで、結局今回も妹の一人勝ち。それ、ラブじゃなくてライクだから。
続くのかな? 態度が一気に軟化した委員長のデレは見てみたい。