いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」赤城大空(ガガガ文庫)

下ネタという概念が存在しない退屈な世界 (ガガガ文庫)
下ネタという概念が存在しない退屈な世界 (ガガガ文庫)

「お●んぽおおおおおおおおおぉ!!」少女は叫びながら、駅の構内を走り出した。その瞬間、僕はすっころんだ。16年前の「公序良俗健全育成法」成立により、日本から性的な言葉が喪われた時代。憧れの先輩・アンナが生徒会長を務める国内有数の風紀優良校に入学した奥間狸吉は、《雪原の青》と名乗るペロリストに弱みを握られ、下ネタテロ組織「SOX」のメンバーとなってしまった……! そこはプリズン? それとも、ハーレム? 第6回小学館ライトノベル大賞・優秀賞を受賞したノンストップハイテンションYトークコメディ! よろしこしこ!


10人読んだら11人「これはひどい」と言いそうなバカ小説。これを賞に選んだガガガ文庫の懐の深さと頭のイカレ具合には感服ですw
あらすじの段階では購入予定になかったのに表紙に釣られてしまった。悪いか!w パンツが見える表紙はいつもあるが、頭に被っていて、しかもその下がほぼ裸という頭の悪い表紙は初めてではなかろうか。
内容も負けず劣らず酷い。
スタートから変態仮面スタイルの女子があらすじ冒頭の言葉を叫びながら颯爽と登場という最大級の出オチをかまし、その後も会話がほぼ下ネタのみで構成されるという品性をドブに捨ててきたような素晴らしい内容。
と、つかみは完璧、だったのだが第二章以降が全く面白くない。
下ネタ一辺倒だと一本調子になるのは必然で、笑えるの初めだけで後は段々と残念な気分だけが残っていく。
また、説明が下手で彼らを取り巻く社会環境が把握し難いのと、テロ行為を繰り返す理由、戦っている相手が見えないので置いてけぼり感が漂う。最低でも目に見えた敵のソフィアとその目的はもっと早く出すべきだったかと。
萌えや小ネタなど媚びた要素を一切排除した姿勢は良かったが、下ネタ一本で書くには設定は甘く、ネタの引き出しも少なかったように思う。